頚性神経筋症候群(頚筋症候群 CNMS)とは
頚筋症候群とは、首こり肩こりが原因で頭痛やめまい、耳鳴り、難聴、不眠、自律神経失調症などの不定愁訴が生じること。
病院で検査をしても異常が見つからない原因不明の不調は、もしかすると首こりや肩こりが原因の頚筋症候群かもしれません。
首こりの原因
首こりの原因となる筋肉には、後頭下筋群と板状筋、胸鎖乳突筋や斜角筋があります。
後頭下筋群
後頭下筋群は僧帽筋よりも深層にあって、頭蓋骨と首の骨を繋いでいます。
後頭下筋群は大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋という筋肉で構成され、天柱、風池、完骨というツボに該当し、昔から重要視されてきた治療ポイントです。
頭痛がひどいときは、後頭下筋群がものすごく硬く張っているのを感じると思います。
板状筋
板状筋も僧帽筋の深層にあり、頭板状筋と頸板状筋で構成され、首を回転させたり顔を上げる動作をします。
首の横が張っているときは、頭板状筋や頸板状筋が緊張しています。
板状筋の緊張も頭痛の原因になります。
首の前側の筋肉 胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋は耳の真下から鎖骨に付いている筋肉で、首を回したり曲げたりする。
首の前側の筋肉 斜角筋
斜角筋は首の骨から肋骨に付いている筋肉で、前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋で構成され、首を曲げたり傾けたりする。
斜角筋の間を鎖骨下動脈と腕神経叢が通るため、斜角筋が硬くなると腕への血流が悪くなり痺れの原因になる。
斜角筋が硬くなると静脈の還流も悪くなるので、顔が浮腫む原因にもなる。
スマホ首
スマートフォンの使いすぎでストレートネックになった状態がスマホ首。
下を向いてスマホを使用するので、後頭下筋群や板状筋、胸鎖乳突筋や斜角筋が緊張して頚筋症候群の原因になります。
肩こりの原因
肩こりの原因として「僧帽筋」が取り上げられることが多いですが、肩こりの人の肩を触ると肩甲挙筋が硬くなっています。
私は僧帽筋よりも肩甲挙筋のほうが肩こりの要因だと思っています。
肩甲挙筋
肩甲挙筋は肩をすくめるときに働く筋肉。
肩甲挙筋が硬くなると、肩甲骨が引き上げられて常に肩をすぼめた状態になり、僧帽筋もつられて縮みます。
僧帽筋が縮むと深層にある後頭下筋群や板状筋も硬くなります。
椎骨動脈
椎骨動脈は頚椎の横突起孔を通って脳や耳に血液(栄養)を届けています。
頚椎の横突起孔を通っているせいで、首こりや肩こりで筋肉に引っ張られると頸椎が捻じれて椎骨動脈の流れが悪くなります。
突発性難聴や耳鳴り、メニエール病などは椎骨動脈の流れが悪いことが関係していると思われます。
もっといえば、認知症も長年脳への栄養が不足したせいで生じる可能性があります。
東京鍼怙灸の首こり肩こり治療
後頭下筋群や板状筋、肩甲挙筋、斜角筋、胸鎖乳突筋がトリガーポイントになります。
あとは菱形筋や脊柱起立筋も必要に応じて鍼をします。
襟足を刈り上げなくても治療可能です。
首や肩に鍼をすると迷走神経反射が出やすいので、キツい場合は我慢しないで伝えてください。
刺激を調整しながら鍼をします。
首こり肩こり治療の副作用
鍼をした後、具合が悪くなったように感じることがあり、「瞑眩(めんげん)」や「好転反応」という言い方をします。
めまいや吐き気、顔面蒼白、失神など「暈鍼(うんしん)=迷走神経反射」という状態になることもあります。
眠くなったりダルくなったりしますが、身体が回復しようとしている証拠なので、可能なら少し眠ると楽になります(たくさん寝ると夜眠れなくなります)。
片頭痛
首こり肩こりの施術後に多い副作用が片頭痛。
施術後に血流が良くなるので、脈打つような片頭痛になることがあります。
一過性のものなので辛いときは頭痛薬を使用してください。
迷走神経反射
血の引くような感じ、冷や汗が出る、目の前が暗くなる、吐き気などで、ひどい場合は失神することもあります。
鍼が初めてで緊張しているときや、怖がり神経質な人におこりやすく、鍼に慣れている人でも極度の疲労や寝不足のときになることがあるので、変だなと思ったら遠慮しないで声を掛けてください。
私は鍼が怖くて迷走神経反射をおこし、過呼吸になったことがあります。
5~10分くらい横になって安静にしていれば治まります。
頚性神経筋症候群 私の経験
私は子供の頃から、首コリと頭痛が悩みでした。
肩がこるというより首がこり、首から頭にかけて引っ張られているような違和感と頭痛。
病院でいろいろな検査を受けましたが、はっきりした原因は分からず、自立神経失調だと言われました。
首こりが辛くていつも(たけしさんのように)首を動かしていたので、チック症ではないかと言われたこともあります。
辛さが伝わらない(見た目病気には見えない)病気は、仮病に見えるので厄介です。
そんな私でも今では、ときどき首がこる程度で、ほとんど頭痛薬を服用することなく暮らせています。