深層筋トリガーポイント鍼灸

フォーカル・ジストニア

フォーカル・ジストニアとは

フォーカル・ジストニアは、主に手指など局所に生じるので局所性ジストニアとか、音楽家や手指を酷使する人に多い疾患なので、職業性ジストニアともいわれます。

当院は、プロ・セミプロ、プロを目指している音楽家を対象にフォーカル・ジストニアの治療をしています。
楽器の種類は、鍵盤とギターが多いです。

フォーカル・ジストニアとジストニアとイップス

1)ジストニア
代表的なものが痙性斜頸(首がねじれる)、他には腕や脚がよじれる、舌が出る等。
ジストニアは日常生活で明らかに病的な症状が現れます。

2)イップス
練習(リラックスした状態)では上手くできるが、本番(緊張状態)になるとできなくなる。
誰もいなければ字が書けるが、人が見ていると手が震えて字が書けないなど、精神的な要因が考えられる。

3)フォーカルジストニア
以前はできていた演奏が、だんだん手指が思い通りに動かなくなり(※ある日突然手指が動かなくなるわけではない)、練習でも本番でも演奏できなくなる。
演奏やキーボード・マウス、書字など手指を使う作業で、不必要に力が入ったり、指が伸びたり曲がったりで思い通り動かないことはありますが、日常生活では病的な症状はでません。

フォーカル・ジストニアの特徴

・痛みや痺れはない(腱鞘炎やギヨン管症候群を併発していることもある)。
・徐々に症状が悪化(ある日突然ではない)。
・演奏時に手指が曲がったり、伸びたり、重なったり、固まったり、思い通りに動かない。
・練習でも本番でも弾きにくい(精神的要因がない)。
・箸やペンを持つと手指が巻き込んで動かしにくい。
・日常生活では病的な症状は現れない。

フォーカル・ジストニアは脳や神経に原因があるのか?

手指が勝手に巻き込んだり、伸びたりして思い通りに動かない。
そのため、フォーカル・ジストニアは脳や神経に異常があるという前提で研究・治療が行われています。
確かに脳疾患や神経麻痺に症状が似ているところがありますが、異なる部分もあります。
脳梗塞やパーキンソン病、ジストニア、神経麻痺など脳や神経が原因の病気は、日常生活で明らかに病的な症状が見られる。
脳が障害された場合、症状は全身に及ぶ。例えばパーキンソン病で右手の人差し指だけ震えるということはない。
フォーカル・ジストニアの症状は神経の支配領域と一致しないことが多い。
例えば、中指が巻き込む・人差し指が伸びる というのは、神経の障害としてはあまりに不自然なのです。

フォーカル・ジストニアの原因

フォーカル・ジストニアの原因
1)使い過ぎ(過度の練習)で筋肉と腱が過緊張して縮む。
2)エネルギー不足(血流不足)。

筋肉と腱が縮んだ結果、脳の命令通りに手指が動かなくなる。
脳の命令通りに手指が動かないので、脳は代わりに(代償行動)を無意識に行わせる。
フォーカル・ジストニアの状態で練習をするほど、脳が代償行動を学習する。
という悪循環に陥ります。
エネルギー(血液)が不足した状態で練習するほど、筋肉や腱はボロボロになります。

当院のフォーカル・ジストニアへの取り組み

当院は、試行錯誤しながらフォーカル・ジストニアの治療に取り組んできました。

当院のフォーカル・ジストニアの治療の流れは、
・まず身体の構造を理解してもらう。
・なぜフォーカル・ジストニアになるのか原因や理由の説明をして、理解してもらう。
・自分で行うリハビリのやり方を覚えてもらう。
・フォーカル・ジストニアの原因部位の治療。
となります。
血流を障害している部位を治療し、劣化した筋肉を回復させます。
初回は2~3時間くらい掛かります。
1回の治療ではフォーカル・ジストニアは治らないし、病態を理解できないので、プロ・セミプロ、プロを目指している演奏家で、治療を継続できる方を対象にさせていただきます。

⇒フォーカル・ジストニアの施術料

手の解剖学とフォーカル・ジストニア


演奏では本来MP関節が中心となって動きます。
フォーカル・ジストニアの場合は、MP関節の動きが悪い。
MP関節の動きが悪いのだけど、痛みなど自覚症状がないので気が付かない。
MP関節の動きが悪いので、代償行動としてPIP関節を動かすよう脳が命令を出す。
これはあくまで代償行動であって本来の動きではないので、身体に負担が掛かる。
この状態に気付かないまま練習を続け、フォーカル・ジストニアになります。

フォーカル・ジストニアの症状の一例


・人差し指が巻き込む
・中指が巻き込む
・薬指が巻き込む
・小指が巻き込む
というのがフォーカル・ジストニアで多くみられる症状。
PIP関節を中心に巻き込みます。
手(指)を握る開くという動作を繰り返すと、巻き込みの生じている指だけ動きについてこれなくなります。

この症状は、使い過ぎ(過度の練習)が原因で指の腱や筋肉が縮んでしまったために生じます。
中指が巻き込む場合は、中指の腱や筋肉が他の指よりも縮んでしまったため中指だけPIPで屈曲してしまい、伸ばしにくくなります。

フォーカル・ジストニアは演奏から離れたほうがよい?

治療経験からいうと、演奏から離れたほうが経過が良好で、演奏を続けているとなかなか回復しません。
フォーカル・ジストニアの状態で演奏すれば、どうしても代償行動に頼るしかないので、フォーカル・ジストニアは治りません。
演奏をしなければ、代償行動を脳に上書きすることは防げるし、筋肉が過度に緊張することもなくなります。
(※演奏は本人が思っているより遥かに過酷な動き)
思い切って半年~1年くらい演奏から離れてみるのが、回復への近道です。
休養期間中に適切なリハビリを行うと、硬く縮んだ筋肉や腱が回復して、再び演奏出来るようになります。

フォーカル・ジストニアの判定基準

フォーカル・ジストニアの判定基準としてTubiana Scale(チュビアナ スケール)があります。
 
Grade0
演奏できない。
 
Grade1
いくつかの音符は演奏できるが器用さの不足または
欠如のために中断する。
 
Grade2
短いシークエンスを速くなく不安定な指使いで演奏する。
 
Grade3
やさしい小曲を限定的に演奏する。速いシークエンスは
動きの混乱を生じる。
 
Grade4
ほぼ正常に演奏するが、技術的に難しいパッセージは
運動障害の不安のために避ける。
 
Grade5
正常に演奏でき、舞台での演奏に復帰する。

フォーカル・ジストニアのいろいろな治療法

・定位脳手術
 パーキンソン病で用いることがある手術をFDにも応用。
 
・tDCS(経頭蓋電気刺激)
 頭皮から脳への電気刺激を与える治療。
 
・ボツリヌス療法
 ボツリヌス菌を注射して筋肉の緊張を緩める。
 
・薬物療法
 パーキンソン病の薬やてんかんの薬を使う。

TEL 080-4425-3225 月.木.金11-19 土11-16 日祝11-14

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